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中古車の耐用年数の計算方法と減価償却の注意点

2024.9.6  新着情報  ,

中古車を事業用に購入する際、税務面で重要なのが耐用年数の計算と減価償却の仕組みです。適切に処理しないと、せっかくの節税効果が得られません。この記事では、事業用中古車の耐用年数と減価償却について、わかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

耐用年数とは

耐用年数とは、その資産の使用可能年数のことを指します。国税庁の定める「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で、資産ごとに細かく規定されています。事業用車の場合、車種によって異なる耐用年数が定められています。

中古車と新車で耐用年数が違う理由

中古車は車によって状態が様々なため、一律の耐用年数を適用することはできません。そこで、経過年数に応じて耐用年数を計算する「簡便法」という特別ルールが設けられています。簡便法では、法定耐用年数から経過年数を差し引き、そこに経過年数の20%を加算して計算します。この20%加算は、中古車の個体差を平均的に見込んだ調整値だと考えられています。

中古車を事業用に選ぶメリット

中古車は新車に比べて取得価格が安く、減価償却費を抑えられるのが大きなメリットです。また、諸費用も安く済むので、イニシャルコストの節約になります。ただし、故障リスクには注意が必要です。信頼できる販売店で、整備状態のしっかりした車を選ぶことが大切でしょう。

また、償却方法によっても節税効果が変わってきます。少しでも多くの経費を計上するなら、初年度の償却額が多い定率法がおすすめです。ただし、税制の優遇措置を受ける場合は定額法が適用されるので注意しましょう。

中古車の耐用年数はどう計算する?

それでは、中古車の耐用年数は具体的にどのように計算すればいいのでしょうか。基本的な考え方は先に解説した通り、「簡便法」に基づきます。ただ、少し場合分けが必要です。

まず、法定耐用年数を経過しているかどうかを確認します。普通自動車なら6年、軽自動車なら4年が基準です。この年数を超えている場合と、まだ超えていない場合で計算式が異なります。

簡便法の計算式

一般的なケースでの計算式は以下の通りです。

中古車の耐用年数 = 法定耐用年数 - 経過年数 + (経過年数 × 0.2)

1年未満は切り捨て、計算結果が2年より短くなる場合は「2年」とみなされます。ここでいう経過年数は、新車登録から何年たったかを表します。月数は切り上げるので、2年3ヶ月なら「3年」として計算します。

全経過年数の場合

次に、法定耐用年数を経過したケース(普通車なら6年超、軽自動車なら4年超)の場合です。このときは、こう計算します。

中古車の耐用年数 = 法定耐用年数 × 0.2

法定耐用年数にただ0.2を掛けるだけなので、とてもシンプルだと言えます。なぜ法定耐用年数の20%なのかというと、それだけ経過しても、まだ使用可能な資産価値が残っていると考えられるからです。この計算式は、長く使われた中古車の耐用年数を一律に見積もるルールだと理解しておきましょう。

一部経過の場合

最後に、法定耐用年数の途中で取得したケースの計算式です。これは先の一般式と同じです。

中古車の耐用年数 = (法定耐用年数 - 経過年数) + (経過年数 × 0.2)

3年落ちの普通車を買ったときは、(6年 - 3年) + (3年 × 0.2) = 3. 6年を切り捨てて「3年」と計算します。つまり、法定耐用年数6年のうち残り3年は、経過年数3年の20%である0. 6年を足して、3. 6年としているわけです。この計算式を使えば、年数経過途中で購入した中古車でも、合理的に耐用年数を見積もれます。

減価償却とは?

減価償却は、資産の取得価額を使用可能期間にわたって費用配分する会計処理を指します。事業用車は年数経過で価値が下がるため、その分を経費として計上できるのです。例えば100万円の車を5年使うとします。費用を一括計上すれば初年度に100万円の赤字になりますが、5年で割れば毎年20万円の経費となります。会計期間の収支をより正確に示せるので、投資判断にも役立ちます。

償却方法によって計算の仕方は変わります。代表的なのが定額法と定率法の2つです。

定額法と定率法の特徴

定額法は文字通り、毎年同じ金額を償却する方法です。耐用年数で取得価額を割った金額を、経過年数分だけ積み上げていきます。

一方、定率法は毎年一定の割合で償却する方法です。この割合(償却率)は、耐用年数に応じて国税庁の定める表で決まっています。毎年、期首簿価にこの償却率を掛けるので、初年度の償却額が最も多くなります。

定率法の方が早く費用計上できるので、節税には有利と言えるでしょう。ただし会社の規模や特例の適用状況によっては、定額法しか認められないケースもあります。償却方法の選択は慎重に検討する必要があります。

定額法の計算例

取得価額100万円・耐用年数4年の中古車の定額法は、

年間償却費 = 100万円 ÷ 4年 = 25万円

となり、4年かけて均等に償却していきます。

仮に2年目に購入したとしても、25万円ずつ2年間費用計上します。

減価償却の注意点

減価償却は節税効果の高い経理処理ですが、いくつかの注意点を踏まえて適切に行うことが重要です。わからないことがあれば、税理士などの専門家に相談するのも一つの方法でしょう。この章では、中古車を事業用として購入し、減価償却を行う際の注意点について解説します。

取得日が「事業の用に供した日」となる

まず、取得日は「事業の用に供した日」となります。つまり、名義登録日ではなく、納車後に実際に使用を開始した日が取得日となるのです。納車後すぐに使い始めた場合は、納車日を取得日とみなしましょう。

再取得価額

次に、再取得価額についてです。中古車の取得価額が、同一モデルの新車価格の50%を超える場合、耐用年数は新車と同じになります。例えば、新車価格200万円の軽自動車を中古で150万円で購入すると、耐用年数は軽自動車の新車と同じ4年となるのです。

取得価額に含まれる費用の範囲

最後に、取得価額に含まれる費用の範囲です。車両本体価格だけでなく、オプションや引取費用なども取得価額に含まれます。一方で、自動車税や重量税、登録費用などは含みません。取得価額の範囲を正しく理解しておくことで、適切な減価償却費の計算につながります。

まとめ

中古車を事業用に購入する際、耐用年数の計算と減価償却の仕組みを理解することが重要です。中古車の耐用年数は、簡便法という特別ルールに基づいて計算します。法定耐用年数から経過年数を差し引き、経過年数の20%を加算するのが基本です。

減価償却では、定額法と定率法という2つの方法があります。定率法の方が初年度の償却額が多くなるため、節税効果が高いと言えます。ただし、償却方法の選択は慎重に行う必要があります。

また、減価償却の際は、取得日や再取得価額、取得価額に含まれる費用の範囲などに注意が必要です。これらを正しく理解することで、適切な経理処理につながります。

事業用の中古車選びは、価格や状態だけでなく、耐用年数や減価償却の観点からもアプローチすることが大切です。節税効果を最大限に活かすためには、経験豊富なプロの視点が欠かせません

シシドモータースでは、長年の実績や経験をもとにお客様の事業に最適な中古車をご提案しています。税務面のアドバイスも含め、トータルでサポートさせていただきます。事業用中古車のご購入をお考えの際は、ぜひシシドモータースにご相談ください。