中古車の購入を検討する際、車両価格以外にも輸送費用の確認が欠かせません。特に遠方の販売店で希望の車を見つけた場合は、輸送方法や費用について事前に理解を深めておく必要があるでしょう。輸送費用は距離や時期、車種によって大きく変動し、予想以上に高額になることも。また、ディーラーと販売店で料金体系が異なることも多いため、しっかりと比較検討することが重要です。
この記事では、中古車購入後の輸送費用の相場や、費用を抑えるためのポイントについて解説していきます。
▼目次
中古車購入後の輸送費はどのくらい?相場や費用を抑えるポイントを解説
中古車を買ったら輸送が必要?

近年、インターネットの普及により、遠方の中古車でも簡単に情報を入手できるようになりました。それに伴い、自宅から離れた場所にある中古車の購入を検討する機会も増えているといえるでしょう。しかし、遠方での購入には輸送手段の確保が必須となります。輸送方法は大きく分けて陸送・海輸・空輸の3種類があり、それぞれメリット・デメリットが存在しています。
まず、輸送方法の違いについて見ていきましょう。
陸送
中古車の輸送で最も利用されているのが陸送という方法です。ドライバーが直接車を運転して届ける「自走」と、専用の積載車で運ぶ方法があり、状況に応じて使い分けられています。
自走の場合は比較的安価に済みますが、長距離になると人件費がかさむため、複数台をまとめて運べる積載車が選ばれることが多いでしょう。ただし、繁忙期は予約が取りにくく、料金も上昇する傾向にあるため、余裕を持った手配がおすすめです。また、近年は燃料価格の変動により、輸送費用も変わってくることに注意が必要でしょう。
海輸
離島や北海道、沖縄など、海を越えて車を運ばなければならない場合に選択されるのが海輸です。
フェリーや専用の運搬船を利用しますが、天候による遅延リスクがあるため、到着日時を正確に予測することが難しいといえるでしょう。また、港での積み下ろし作業や各種手続きなども必要となるため、時間とコストは陸送より余分にかかってしまいます。
ただし、複数台をまとめて輸送する場合は、1台あたりの費用を抑えられる可能性もあり、輸送業者との交渉の余地も生まれてくるのです。
空輸
特別な事情がある場合にのみ選択される輸送方法が空輸となっています。
航空機での輸送は、最短で目的地まで届けられる反面、専用の梱包材や空港での取り扱い手数料など、費用が極めて高額になるのが特徴といえるでしょう。そのため、一般的な中古車取引ではほとんど利用されず、高級車や希少車、展示車両など、特殊なケースでの利用に限られています。また、空港から最終目的地までの陸送費用も別途必要となるため、総費用は他の輸送方法と比べて格段に高くなってしまうのです。
中古車の輸送費とは

中古車購入時に目にする輸送費用には、いくつかの種類があり、混乱しやすい項目となっています。特に「輸送費」「陸送費」「納車費用」という似た用語の違いを理解していないと、予想外の出費に困惑することになるでしょう。
費用の違いについて解説します。
遠方への輸送にかかる費用
遠方への輸送費用を構成する要素は、基本料金や距離に応じた運搬費、そして各種付帯費用に分類されます。基本料金には車両の積み下ろし作業や保険料が含まれており、これに距離に応じた運搬費が加算されていくのです。
さらに、燃料サーチャージや有料道路料金なども必要に応じて追加されることになるでしょう。近年は燃料価格の変動が大きいため、見積もり時と実際の請求額が異なることもあり、余裕を持った予算設定が重要です。
陸送費との違い
一般的に陸送費は、陸路での輸送にかかる費用を指し、輸送費はより広い概念として使われています。陸送費には車両の運転による移動や積載車での運搬費用が含まれますが、輸送費には船舶や航空機を使用する場合の費用も含まれているのです。
ただし、販売店によってはこれらを明確に区別せず、すべてを「輸送費」として一括表示することもあるため、見積もり時に内訳の確認が重要でしょう。
納車費との違い
納車費用は、車両の移動費用以外にもさまざまな要素が含まれている点が特徴です。具体的には、車両の清掃や点検整備、登録手続きなどの費用が含まれており、輸送費とは異なる性質を持っているのです。ただし、現在は公正取引委員会の関係上、中古車両の清掃や整備を納車費用として請求することはできません。
ただし、販売店によっては輸送費を納車費用という名目で請求するケースもあります。そのため、見積書の内容をよく確認し、どの費用が含まれているのかを把握しておく必要があるでしょう。
中古車の輸送費相場

中古車の輸送費用は、地域や距離によって大きく異なります。
多くの場合、同一県内であれば1万円から3万円程度が相場ですが、遠方になるほど費用は上昇していきます。また、輸送時期による変動も大きく、特に引越しシーズンとなる3月から4月は繁忙期のため、通常より高額になるのが一般的です。輸送費の相場を知っておくことで、購入時の予算設定や販売店との交渉がスムーズに進むでしょう。
中古車を輸送してくれる場所

中古車の輸送手段を選ぶ際は、複数の選択肢があることを知っておく必要があります。カーディーラー、中古車販売店、専門の輸送業者など、それぞれに特徴があり、サービス内容や料金体系も異なってきます。
次に、輸送業者の違いについて見ていきましょう。
カーディーラー
メーカー系ディーラーの輸送サービスは、独自の輸送網を活用した安定したサービスが特徴です。
専用のドライバーや整備された輸送車両を保有しており、高い品質の輸送サービスを提供してくれます。ただし、料金は中古車販売店と比べて割高に設定されているのが一般的です。その分、配送日時の正確性や輸送中の安全性では高い信頼性を得られます。また、輸送保険も充実しており、万が一のトラブル時も安心して任せられるのです。
販売店
中古車販売店の輸送サービスは、ディーラーと比べてリーズナブルな料金設定が特徴です。
販売店の規模によって対応は異なりますが、地域密着型の店舗では地元の輸送業者とのつながりを活かした効率的な輸送を実現しています。大手チェーン店の場合は、自社の輸送網を持っていることも多く、遠距離輸送でもコストを抑えられる可能性があります。ただし、繁忙期は予約が取りにくく、料金も上昇する傾向にあるため、早めの手配をしましょう。
輸送業者
専門の輸送業者は、車両の輸送に特化したサービスを提供しており、効率的な輸送ルートや柔軟な対応が可能です。
輸送業者によって得意分野は異なりますが、一般的に距離や車種に応じた細かな料金設定があり、状況に合わせた最適なプランを提案してくれるでしょう。また、複数台をまとめて輸送する場合は割引が適用されることもあり、コストパフォーマンスの高いサービスを受けられる可能性があります。
中古車の輸送費が高くつく原因

中古車の輸送費用は、さまざまな要因によって変動します。特に輸送距離や車両の状態、時期などが大きく影響を与えており、予想以上の費用がかかることも少なくありません。また、車種によっては特殊な輸送方法が必要となり、追加料金が発生するケースもあるでしょう。
ここでは中古車の輸送費が高くなる原因を解説します。
輸送距離が長い
輸送距離は輸送費用を決める最も重要な要素です。
距離が長くなるほど、燃料費や人件費、高速道路料金などの基本的なコストが上昇します。また、長距離輸送の場合は、途中での中継地点での積み替えが必要になることもあり、その分の作業費用も加算されるでしょう。さらに、遠方への輸送では天候や交通状況による遅延リスクも考慮する必要があり、予備日程を確保するための費用も考慮に入れなければなりません。
車のサイズが大きい
一般的な乗用車より大きなサイズの車両は、輸送に特殊な対応が必要となるケースが多いです。
例えば、ハイエースなどの車高の高い車両は、通常の積載車では運べないため、専用の輸送車両を手配する必要があります。また、幅の広い車両の場合も、輸送時に特別な許可や装備が必要となることがあります。こうした特殊な対応が必要な場合、通常の2倍から3倍程度の輸送費用がかかることも珍しくないです。
中古車が登録されていない
未登録車両の輸送は、通常の中古車と比べて手続きや対応が複雑になるため、費用が高くなる傾向にあります。
未登録車は公道を自走できないため、必ず積載車での輸送が必要となり、その分のコストが上乗せされるでしょう。また、輸送中の事故や損傷に対する保険の適用も異なってくるため、特別な保険料が必要になることもあります。さらに、輸送後の登録手続きまでを考慮すると、予想以上の出費となる可能性が高いのです。
改造されている
改造車の輸送は、車両の状態や改造の内容によって特別な配慮が必要となり、それに伴って費用も上昇していきます。
例えば、ローダウンされた車両は、積載車への載せ降ろしに特殊な機材や時間が必要となるでしょう。また、エアロパーツなどが装着された車両は、輸送中の破損リスクも高くなるため、より慎重な取り扱いと追加の保護措置が必要となります。こうした特別な対応が必要な場合、通常よりも高額な輸送費用を見込まなければいけません。
中古車の輸送費を抑えるポイント

中古車の輸送費用を抑えるには、いくつかの有効な方法があります。特に輸送時期の選択や予約のタイミング、輸送方法の工夫によって、大きく費用を節約できる可能性があるでしょう。また、複数の業者から見積もりを取ることで、より安価な輸送方法を見つけられることも。
ここでは、実際に効果が期待できる費用削減のポイントについて、具体的な方法とともに解説していきます。
近隣の店舗や業者を利用する
輸送費用を抑える効果的な方法は、できるだけ近い場所にある店舗や業者を選ぶことです。輸送距離が短ければ、それだけ基本的な費用を抑えられるでしょう。
また、地域密着型の業者を利用することで、地元ならではの効率的なルートや柔軟な対応も期待できます。特に大手チェーン店の場合、近隣店舗間での車両の融通が可能なケースもあり、遠方の在庫でも近くの店舗まで比較的安価に輸送してもらえる可能性があるのです。
自分で引き取りに行く
販売店まで自分で車を引き取りに行くことで、輸送費用を大幅に削減できる可能性があります。
ただし、この選択をする際は、往復の交通費や時間的なコスト、体力的な負担なども考慮に入れる必要があるでしょう。また、遠方の場合は高速道路料金や燃料代なども発生するため、総合的に見て本当に節約になるのか、事前によく検討することが大切です。さらに、慣れない車での長距離運転となるため、安全面での配慮も欠かせません。
予約する
早めの予約は、輸送費用を抑えるための重要なポイントです。
特に2〜3か月前から予約することで、業者側も効率的な配送計画を立てやすくなり、その分費用を抑えられる可能性が高くなるでしょう。また、早期予約によって希望の日時を確保できる可能性も高くなり、スケジュールの調整もスムーズになります。ただし、あまりに早すぎる予約は天候や道路状況の変化によるリスクも高まるため、適度なバランスを取ることが重要です。
手数料などを抑える
輸送費用の中には、さまざまな手数料や追加料金が含まれていることがあります。
例えば、保険料や事務手数料、積み下ろし作業の費用など、細かい項目が存在します。これらの費用は、業者によって設定が異なることも多いため、複数の見積もりを比較検討することで、より安価な選択肢を見つけられる可能性があるでしょう。
また、まとめて輸送する場合の割引や、キャンペーン期間中の特別料金なども活用することで、総額を抑えることが可能です。
まとめ
中古車の輸送費用は、輸送方法や距離、時期によって大きく変動します。陸送・海輸・空輸の中から最適な方法を選び、輸送費用が高額になる要因を理解しておくことが重要です。
近隣の店舗選び、早期予約、繁忙期を避けた購入など、適切な対策を講じることで費用を抑えることも可能です。中古車購入時は、車両価格だけでなく輸送費用も含めた総額を考慮し、計画的な購入を心がけましょう。
シシドモータースなら、お客様の大切な中古車選びをしっかりとサポートいたします。品質にこだわり抜いた厳選中古車を200台以上展示しており、修復歴車は一切取り扱っていません。また、全国への配送も承っております。配送の費用等はお店にご相談ください。理想の一台との出会いを、ぜひシシドモータースで!