2020年ころから発生した半導体不足による新車の納期遅れが解消され、2024年現在ではある程度新車の生産も安定してきました。しかし依然として中古車の需要は高く、多くの方から中古車は人気です。
メーカーの技術力向上に伴い、販売されている中古車の質は上がっています。一昔前だと、中古車は壊れやすいなどのマイナスなイメージもあったかもしれません。
ですが、最近では電気自動車なども積極的に開発され、高性能かつ耐久性がある車が増えてきています。
今回は、そんな中古車を購入する際の支払い方法についてまとめました。現金一括支払いのメリットやデメリットなども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
▼目次
国内の中古車市場の動向

2024年時点での国内における中古車市場の動向を紹介します。これから車を購入しようと考えている方は、この記事を読んで中古車も視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。
増減はするものの、増加傾向にある
中古車市場は増加傾向にあります。2020年秋ころから、新型コロナウイルスが原因で半導体不足に拍車をかけました。それにより、新車の納期が大幅に遅れる事態となったのです。
その頃から中古車市場は伸び続け、2025年現在でも販売台数は高い水準をキープしています。
そのような背景から、中古車の販売台数は月によって増減はするものの、年々増加傾向です。特に、2月と3月は購入台数が多い傾向にあります。なぜなら、春から車を使う大学生や新卒社会人の方たちが、車を購入するからです。
このように、中古車は手軽な価格で購入でき選択肢も幅広いため、老若男女問わずさまざまな世代の方に人気となっています。
中古車の月ごとの販売台数については、以下の記事を参考にしてください。
新車登録台数よりも中古車登録台数のほうが多い
新車登録台数よりも中古車登録台数のほうが多く、中古車のほうが多くの方に購入されています。
登録台数とは、各自治体にある運輸支局に登録された車の台数のことです。そのため、登録台数は販売台数に比例します。このことから、新車よりも中古車のほうが売れているため、国内需要は高まっているのです。
また、中古車リースの増加も中古車登録台数を底上げしている要因となります。中古車リースとは、中古車のリース契約です。
この場合、中古車の所有者はリース会社になります。契約者は、中古車を月額で借りる形になり、メンテナンス費用などさまざまな維持費を抑えることができるのが特徴です。このように中古車市場の盛り上がりから、多くの方が注目しています。
国内の中古車平均購入価格は162万円
国内で販売されてる中古車の平均購入価格は、162万円となっています。中古車は10万円で販売されているものもあれば、200万円で販売されているものもあり、価格差が大きいのが特徴です。
平均購入価格が162万円ということは、販売されている中古車の多くが160万円前後で販売されているということになります。
部品価格の高騰や、最新技術投入の付加価値による値上げなどが影響して、中古車の平均購入価格は増加傾向です。
国内で販売されてる中古車の平均購入価格の詳細については、以下のサイトを参考にしてください。
参考記事:矢野経済研究所
人気車種は軽自動車、ついでミニバン・ワンボックス
中古車の中で人気な車種は軽自動車です。中古車販売台数の3割以上が軽自動車となっており、多くの方から根強い人気があります。
軽自動車は燃費が良く、室内も広いため実用性が高いのが特徴です。子育てやドライブ、仕事などの幅広いシーンで乗りやすい車種になっています。
また、ミニバンやワンボックスも人気の車種です。中古車販売台数の中では1割程度ですが、広い室内空間は家族層や仕事の現場で需要が高いため人気となっています。
現代では実用性が高い車が求められている
現代の中古車購入者の多くが中古車に求めているのは、実用性ではないでしょうか。売り上げ台数が上位の軽自動車やミニバン、ワンボックスなどは、どれも実用性が高い車種です。
軽自動車は室内空間が広く維持費が安いため、子育て世帯に人気の車種となっています。ミニバンも同様、広い室内空間が特徴の車種です。家族や大人数での外出に向いているため、人気の車種となっています。
ワンボックスは、主に商用車としての需要が高いです。広い室内空間が特徴で、荷物が積みやすく実用性が高いため人気があります。
このように、実用性がある車は幅広い用途で使用することができるため人気です。新しい技術を取り入れた新車が続々と登場する中、実用性がある中古車は多くの方から注目されています。
中古車買うなら現金一括がお得

中古車を購入するのであれば、現金一括で購入するのがおすすめです。現金一括支払いにはメリットとデメリットがあるので、しっかりと理解したうえで中古車を購入するようにしましょう。
現金一括のメリット
現金一括で中古車を購入するメリットは、名義が自分になること、利息がかからないことです。
名義が自分になることで、さまざまな手続きがスムーズになります。特に、売却の際の手続きです。車を売却する場合、所有者が売却する人の名義でないといけません。
売却時に、もし所有者が自分以外になっていた場合、自分の名義に変更する手間が発生します。この名義の変更には時間がかかるため、手続きがスムーズにいきません。そのため名義は自分のほうがいいです。
また、利息がかからないこともメリットとして挙げられます。車を購入する場合、一括支払いの他にもローンを組んで支払う方法もあります。
この場合、月々に一定の金額を支払うことで車を購入することが可能です。車の購入費を全額用意する必要がないので、手元にお金がなくても支払うことができます。
しかし、ローンを組んで支払う場合は利息を支払う必要があるので、かえって支払い総額は高くなるのです。現金一括支払いにすることで、そのような利息も発生せずに支払うことができます。
現金一括のデメリット
現金一括のデメリットは、多額の現金が必要、購入後に修理費が必要になるリスクがあるなどです。
現金で一括支払いを行うため、まとまった現金を用意する必要があります。中古車の平均購入価格が160万円なので、100万円以上の現金を用意する必要があるのです。
現金に余裕がある場合はいいのですが、貯金がない場合や出費の予定がある場合などは難しいこともあります。必ずしも現金が用意できるとは限りませんので、自分の資金がどれくらいあるのか確認しましょう。
もう一つのデメリットは、購入後に修理費が必要になるリスクがあるということです。中古車は、物によっては状態が悪いものもあります。そのため、故障するリスクが高く、現金一括支払いをした後すぐに修理費が発生する場合もあるのです。
このように現金一括支払いをすることで、多額の現金を用意する必要がある、修理費が必要になるリスクがあるなどのデメリットがあります。現金一括支払いを検討している方は、デメリットも把握したうえで選択するようにしましょう。
店舗側は現金一括を好まない場合もある
車を販売している店舗では、現金一括支払いを好まない場合があります。
その理由として、車を購入する際にローンを組むことで、店舗側はローン会社から金利のキックバックを受けることができるからです。金利のキックバックは、車を販売した店舗の売り上げとなります。そのため、車を販売した店舗の売り上げは上がるので、なるべくローンを組んで購入してもらったほうが得なのです。
しかし、現金一括支払いの場合はローン会社を利用していないため、金利のキックバックが発生しません。その結果、店舗の売り上げは低くなるのです。
すべての販売店舗に共通しているとは限りませんが、多くの販売店ではこのような金利のキックバックをもらえる仕組みとなっています。
店舗によっては車両本体価格を高めに設定している場合もあるので、販売価格が高い場合はそのような仕組みを理解しておきましょう。このような背景から、店舗側では現金一括を好まない場合もあるのです。
現金一括がおすすめなのはこんな方
現金一括支払いがおすすめなのは、どのような方なのでしょうか。以下のような条件に当てはまる場合は、現金一括支払いがおすすめです。
- 貯金がある方
- 車の売却などを自由にしたい方
- 借金をしたくない方
まず、貯金がある方は現金一括支払いが向いています。現金に余裕があるため、多額の現金を用意できることがメリットです。車を買う時に、誰でも現金を用意できるとは限りません。
貯金があって余裕がある方は、車を現金で購入しやすいといえます。また、車の売却などを自由にしたいという方にとってもおすすめです。現金で一括支払いする場合は車を買い取ることになるので、名義が自分になります。そのため、売却の際の手続きをスムーズに行うことができるのです。
借金をしたくない方も、現金一括支払いのほうが向いています。なぜなら、ローンを組むと支払い利息を払うことになるので、逆に割高となってしまうからです。
現金一括支払いの場合は、支払い利息が発生しないので購入費用を抑えることができます。以上の3つの条件に当てはまる方は、現金一括支払いのほうがおすすめです。
現金一括支払い以外の決済方法

現金一括支払い以外の決済方法には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、現金一括支払い以外の支払い方法を3つ紹介します。今後の車の購入の参考にしてみてください。
銀行でローンを組む
銀行でローンを組む場合は、銀行からお金を借りて月々に一定額を返済する仕組みになります。お金を支払う際は、車両の購入価格に加えて支払い利息が発生するので注意しましょう。
銀行ローンの特徴は、金利が安いということです。ただし、審査基準が厳しいので審査が通るまで時間がかかるというデメリットもあります。
時間がない場合、今すぐに車が必要な場合などはあまりおすすめできません。
ディーラーでローンを組む
ディーラーでローンを組むことも可能です。ディーラーローンは値引きが期待できる一方で、金利が高い、名義がディーラーとなるなどの特徴があります。
ディーラーでローンを組むことになるので、値引きの交渉がしやすいです。その理由は、金利の高さにあります。ディーラーローンは他のローンと比較して金利が高いので、ディーラー側は利益を確保しやすいです。
そのため、値引きの交渉に応じてくれやすくなります。
ただ、名義が自分にならない可能性があるため注意してください。ディーラーローンは、ディーラーが車の購入価格を代わりに支払ってくれて、購入者は月々に一定額を支払う仕組みです。
そのため、支払いを完済するまでは、自分の所有ではありません。また、売却の手続きなどを自由にできないというデメリットがあることを覚えておきましょう。
クレジットカード決済
クレジットカード決済でも車を購入することはできます。クレジットカード決済で購入する場合の一番のメリットは、柔軟な支払い方法を選択できるという点です。
分割支払いや支払いの時期を選択できるなど、自分の経済状況に合わせて柔軟に選択できます。しかし、支払い利息が発生するため最終的な支払い額が大きくなってしまうので注意しましょう。分割支払いをすればするほど、支払い利息は大きくなります。
また、利用限度額があるのもデメリットの一つとして挙げられます。場合によっては車の購入を諦めなければいけない可能性もあるので、限度額がいくらなのかもしっかりと確認しておきましょう。
中古車を現金一括支払いする際の注意点

中古車を現金一括支払いで購入する場合、どのような点に注意すればいいのでしょうか。具体的な注意点について解説していきます。
状態のいいものを選ぶ
1つ目は、なるべく状態のいい車を選ぶことです。中古車は、すべてが同じ状態とは限りません。中には部分的に劣化してきて、故障するリスクもあります。このような故障のリスクは、中古車を検討する以上仕方がないことです。
新車であればそのような故障のリスクは低いですが、中古車の場合は判断が難しいのが現状です。購入後に修理費が発生する可能性もあるため、なるべく状態のいい車を選ぶようにしましょう。
現金が一気に減る
2つ目の注意点は、現金が一気に減るということです。現金一括支払いをする場合、多額の現金を用意しなければいけません。そのため現金が一気になくなります。
現在の自分の経済状況がどの程度あるのか、しっかりと確認することが重要です。貯金があって余裕があれば問題はないのですが、中には貯金がないのにギリギリの資産状況で現金一括支払いを選択する場合もあります。
現在お金があっても、将来的に出費が発生する可能性もあるため注意が必要です。現金一括支払いは、一気に現金が減るということもしっかりと理解しておきましょう。
価格交渉は難しい
現金一括支払いをする場合、店舗側は価格交渉に応じてくれない場合が多いです。その理由は、現金一括支払いは店舗の売り上げが低いため、値下げをしにくいからです。
先述した通り、ローン支払いの場合はローン会社から店舗側に金利のキックバックがあります。しかし現金一括支払いの場合は金利が発生しないので、キックバックを受けることができないのです。
そのような背景から、現金一括支払いの場合は店舗の売り上げが伸びないため、価格交渉が難しくなります。
中古車を購入するお店選びのポイント

実際に中古車を購入する場合、お店選びも重要です。どのような点に注意してお店を選べばいいのでしょうか。実際に中古車を購入する場合の、お店選びのポイントについてまとめました。
中古車購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
取扱台数・車種
中古車販売店を選ぶ際は、取扱台数に注目してみましょう。取扱台数が多いほうが選択肢が広がるので、自分に合った車を見つけやすくなります。
取扱台数が少ない場合、自分が欲しい車が見つからない可能性があるのです。しかし、取扱台数が多いとさまざまな種類の車が置いてあるので、自分が考えている以上に選択肢が広がります。
取扱車種にも注目すると、さらに選択肢が広がりやすいです。より多くの車種を取り扱っている販売店を選ぶことで、自分にぴったりな車を選びやすくなります。
アフターフォロー
アフターフォローの手厚さも、販売店を選ぶ際のポイントです。丁寧な対応をしてくれる販売店はアフターフォローが手厚く、長い付き合いをすることができます。
アフターフォローの具体例として、定期的なメンテナンス、タイヤ交換、修理のサポートなどです。中古車販売店は数多く存在しますが、店舗によってサービス内容が異なるためチェックしておくといいでしょう。
中には、アフターフォローがあまりない店舗もあります。車を買った後も長い付き合いをしていくためには、アフターフォローがしっかりとしている店舗を選ぶほうがおすすめです。
口コミ
実際に車を購入した方々の声も参考になります。なぜなら、実際に店舗に行って車を購入しているので、率直な感想を述べている場合が多いからです。
口コミは、Googleマップやホームページなどで掲載されているので、誰でも簡単にチェックできます。店舗側がお客さんの口コミに対して、返信することも可能です。
書き込まれた口コミに対して真摯に返信している場合は、丁寧な対応をしている店舗であることがわかります。このように、お客さんからの口コミからもその店舗の対応の仕方がわかるのでチェックしておきましょう。
まとめ

2024年時点での中古車の平均購入価格は、160万円です。決して安い価格ではありませんが、購入する際は現金一括支払いのほうがお得に購入することができます。
ローンを組んで車を購入することもできますが、その場合支払い利息が発生するので最終的な支払い額は割高です。現金一括支払いはそのような心配がないため、ローンに比べてお得に車を購入することができます。
ただし、いいことばかりではないことも理解しておきましょう。多額の現金が必要になるため、自分の経済状況をしっかりと把握しておく必要があるのです。
貯金に余裕がある場合などは現金一括支払いのほうが向いていますので、中古車を購入する場合などは検討してみてください。