近年、自動車を購入する際に、残価設定ローンを利用する方が増えています。残価設定ローンは、車の将来的な価値を見込んで、月々の支払いを軽減することができるため、経済的な負担を抑えたい人にとって魅力的な選択肢です。
主に費用がかさみがちな新車購入で使われている残価設定ローンですが、中古車購入での利用も可能か気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、中古車購入における残価設定ローンの利用について、仕組みやメリット、デメリットを詳しく解説します。
これから中古車を購入しようとしている方や、残価設定ローンを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
中古車で残価設定ローンを使うことは可能?

中古車でも残価設定ローンを利用することは可能です。特に中古車は新車に比べて車体価格が安い物が多く、残価設定ローンを活用することで、よりお得に車を手に入れることができます。
ただし、中古車の場合、新車とは異なり残価が保証されていない場合が多いです。最終的な下取り価格が予想よりも低くなるケースも少なくありません。そのため、契約内容をしっかり確認し、将来的なリスクを理解しておくことが重要です。
また、残価設定ローンが利用できるかどうかは、ディーラーや販売店によって異なります。一部の店舗では、中古車でも残価設定ローンを利用できるところもありますが、すべての車種や年式に適用されるとは限りません。特に年式が古い車や走行距離が多い車は、価値が大きく下がるため、残価設定ローンの対象外となることも多くなります。購入を検討している車がローン対象になるかどうか、事前に確認することが大切でしょう。
残価設定ローンとは?

残価設定ローンとは、契約時に車両の将来価値である「残価」をあらかじめ設定し、その残価分を除いた金額に対してローンを組む仕組みです。契約期間中は、車の全額を支払うのではなく、残価を引いた分の金額を月々分割して支払います。
契約満了時に車を返却するか、残価分を支払ってそのまま車を購入するかを選択することができることも特徴のひとつに挙げられます。月々の支払いを抑えられるため、経済的負担が軽減されることもメリットです。
残価設定ローンは主に新車で利用されることが多いですが、近年では中古車にも対応するケースが増えています。
短期間で車を乗り換えたい方や、将来的に新しい車に乗りたいと考えている方に特に人気のあるローン方式です。
中古車における残価設定ローンの仕組み
中古車における残価設定ローンの仕組みは、新車と基本的に同じです。
中古車の場合、契約期間は2年単位ですが、残価設定ローンの対象となる中古車は、新しい年式や走行距離が少ない車に限られるケースも多いです。
また、中古車の残価設定は、新車に比べて慎重に行われます。中古車は市場価値の変動が激しいため、販売店やディーラーは車の年式や走行距離、車種などを考慮しながら、将来の価値を見積もるのです。
契約が終了すると、新車同様に以下の3つの選択肢があります。
- 車を返却する
- 残価分を支払って購入する
- 新しい車に乗り換える
自分のライフスタイル等によって、契約終了時に選択できるのもメリットといえるでしょう。
中古車購入に残価設定ローンを利用するメリット
中古車購入で残価設定ローンを利用することには、いくつかのメリットがあります。
ここでは、主なメリットを4つ紹介します。
1.月々の支払い額が減る
残価設定ローンの大きなメリットは、月々の支払い額を大幅に抑えられる点です。
通常のフルローンでは車両価格全額を分割して返済しますが、残価設定ローンでは、あらかじめ将来的な残価(車の価値の一部)を設定し、その差額のみを支払う仕組みです。
例えば、200万円の車に5年契約で残価50万円が設定された場合、5年間で150万円を分割して支払うことになります。これにより、支払い負担が軽減されるため、憧れの高級車や高価格帯のモデルにも手が届きやすくなるでしょう。
月々の支払いを抑えたい人や、短期間での使用を希望する人にとっては特に魅力的な選択肢です。
2.残価の変動リスクが低い
車の価値は通常、時間の経過とともに減少します。しかし、残価設定ローンでは、特別な場合を除いて、事前に設定された残価が保証されるため、車の価値が大幅に下がるリスクを抑えることができます。これは、車が返却された後もディーラーや販売店が車を再販して利益を得ることができるためです。
特に市場変動や需要の影響を受けやすい中古車購入においては大きな安心材料といえるでしょう。
ただし、返却時に車が著しく損傷していたり、メンテナンスが十分でない場合は、追加の費用が発生する可能性があります。日常的な手入れを行ったり、丁寧に乗ったりなど、利用に注意も必要です。
3.頭金が必要ないケースがある
残価設定ローンは、頭金が不要なケースが多いのもメリットの一つです。通常、ローンを組む際は頭金として一定額を準備する必要がありますが、残価設定ローンではその負担がなく、初期費用を大幅に抑えられます。まとまった資金を準備できない場合でも、残価設定ローンを活用することで車を手に入れることが可能です。
また、ボーナス払いが不要なケースも多く、安定した月々の支払いが続けやすい点も、資金計画を立てやすい理由のひとつといえます。
4.新古車も含まれている
残価設定ローンの対象車両には、新古車が含まれている場合があります。
新古車とは、ディーラーで展示されていた車や試乗車として使用されたもので、実際には新車に近い状態で、走行距離がほとんどない車のことです。
新古車は通常の新車に比べて価格が安く設定されているため、残価設定ローンと組み合わせることで、新車同様の車にお得な価格で乗ることができます。
また、新古車はディーラーでのメンテナンスがしっかり行われていることが多く、状態が非常に良い場合も多いです。そのため、コストパフォーマンスの高い車を求める方にとって非常に魅力的といえるでしょう。
中古車購入に残価設定ローンを利用するデメリット
上記のように、中古車購入において残価設定ローンを利用するメリットはたくさんあります。
その一方でデメリットも存在しますので、利用を検討する際には、以下のデメリットも考慮することが重要です。
1.支払い総額が高くなる
残価設定ローンは月々の支払い額を抑えられる一方で、支払い総額が他のローンよりも高くなる可能性があります。
設定した残価分にも金利がかかってくるので金利負担が大きくなることや、最終的な残価精算時にまとまった金額を支払う場合があるためです。
特に、車両のメンテナンスや修理費用が発生した場合は、予想外の出費がかかり、結果として他のローンよりも支払い総額が高くなるケースもあるでしょう。
長期的に車を所有したい場合は、銀行ローンやディーラーローンと比較して総額をしっかり計算することが重要です。
2.途中解約のリスクがある
残価設定ローンは、基本的に契約期間満了まで続けることが前提です。しかし、途中で解約した場合、ペナルティや違約金が発生する可能性があります。
例えば、転勤や家庭の事情などで車を手放す必要が生じた場合、契約を途中解約することが難しいケースが多いです。また、残価設定ローンの契約を途中で終了する場合、残存するローンの支払いに加えて、車の売却額がローン残高を下回る場合、差額分を負担しなければならないこともあります。
将来的に車を所有する期間が不確定な場合は、慎重に契約内容を確認するようにしましょう。
3.所有権がないので、利用に制限がかかる
残価設定ローンを利用した場合、車の所有権はローン会社かメーカー系のファイナンスにあります。そのため、利用に制限がかかることが多いです。
具体的には、走行距離や車のカスタマイズに関する制約のほか、契約内容によっては喫煙の禁止や内装の変更などにも制限が設けられていることがあります。また、所有権が自分にないため、車を自由に売却したり譲渡することができません。これは、車を完全に自分のものとして利用したいと考える人にとっては不便に感じるでしょう。
契約条件や利用制限については、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
残価設定ローンを利用する際の注意点

残価設定ローンには、月々の支払いを抑えられ、契約終了時には乗り換えや返却など柔軟な選択肢がありますが、利用にあたってはいくつかの注意点があります。
ここでは、残価設定ローンを利用する際の注意点について解説しますので、中古車購入時はこのポイントを念頭に置いて検討してください。
契約時の条件・返済プランを確認する
残価設定ローンを利用する際は、検討段階で契約条件や返済プランをしっかり確認することが重要です。
特に、返却時の車の状態や利用制限の内容が契約内容に含まれる場合があり、違反すると追加費用が発生する可能性があります。
また、ローン終了時に残価を支払うか、新しい車に乗り換えるかなど、最終的な選択肢も事前に確認しておきましょう。
残価率の高い人気の車種を選ぶ
残価設定ローンを賢く利用するためには、残価率が高い車種を選ぶことがポイントです。
人気のある車種や、リセールバリューが高い車は、残価が安定しているため、最終的に支払う金額が抑えられる可能性が高くなります。燃費が良い車や安全性能が高い車など、市場での需要が高い車種を選ぶことで、リスクを軽減できるでしょう。
特に、契約終了時に車の返却や乗り換えを考えている場合、このポイントを抑えた車選びをすることをおすすめします。
まとめ
残価設定ローンは月々の支払いを抑えつつ、手軽に車を手に入れたい方にとって魅力的な選択肢です。 車種や年式によっては、中古車購入時に残価設定ローンを利用できるケースもあります。
数年単位で車を乗り換えたい方や、最終的に車を手放す予定がある方には大きなメリットがあるローン方式といえるでしょう。
しかし、支払額が高くなる可能性や、所有権が自分にないことによる利用制限など、注意点もあるため、事前にしっかりと条件を確認し、自分のライフスタイルに合わせて、利用を検討することをおすすめします。
中古車の残価設定ローンを賢く活用し、負担を抑えながら理想の車に乗りましょう!
また、残価設定ローン以外にも、月々の負担を抑えて購入する方法がいくつかございます。
シシドモータースでは、月々3,900円からのお支払いで中古車をご購入いただくことも可能です。
頭金がない、月々のまとまった支払いが負担になるなど、お困りの方もぜひ一度ご相談ください。