中古車を購入する際、自動車税種別割(旧:自動車税)の支払いについて疑問を持つ方は多いでしょう。特に、年度途中での譲渡や月割り払い、還付の方法については、知っておくべきポイントがいくつかあります。この記事では、中古車の自動車税種別割に関する基本的な情報から、具体的な手続き方法まで詳しく解説します。
中古車の購入・維持にかかる税金4種類
中古車を購入すると、車両本体価格のほかに各種税金がかかります。これらの項目は新車を購入したときと変わりません。購入時にかかる税金と、維持にかかる税金は異なりますので、確認しましょう。
【購入時にかかる税金】
- 自動車税種別割
- 自動車重量税
- 環境性能割
- 消費税
【維持にかかる税金】
- 自動車税種別割
- 自動車重量税
自動車税種別割は毎年かかる税金、自動車重量税は車検の際にかかる税金です。
環境性能割は新車・中古車問わず購入時にかかる税金です。燃費が良ければ非課税、悪ければ最大3%が取得価額に対し課税されます。
本記事ではこの中の「自動車税種別割」について、さらに深掘りしていきましょう。
軽自動車の「軽自動車税」は中古でもかかる?

軽自動車にかかる税金、いわゆる「軽自動車税」は以下の車に適用される税金です。
- 軽三輪・四輪自動車
- 二輪の小型自動車
- 原動機付自転車
- 小型特殊自動車
軽自動車にかかる税金は新車でも中古車でも変わりません。
中古車の自動車税種別割はいつ払う?
自動車税種別割は新車と中古車で納税時期は変わりません。しかし普通車と軽自動車では納付時期が異なります。
軽自動車 | 普通自動車 | |
賦課期日 | 4月1日 | 4月1日 |
納期 | 4月末 | 5月末 |
課税団体 | 市区町村 | 都道府県 |
賦課期日とは「所有している日」のことです。つまり4月1日に車検証上の所有者となっている人に対して税金が請求されるということです。
軽自動車は4月末までに、自動車は5月末までに支払いをします。
中古車の自動車税は誰が払う?
自動車税種別割は、毎年4月1日時点での車両所有者に課される税金です。具体的には、「車検証に所有者として記載のある人(所有権が留保されているときは使用者)」に対して請求が行きます。そのため、4月1日以降に車を購入した場合、その年度の自動車税種別割は前の所有者が支払うことになります。
車検証の内容に変更があるときは、管轄の運輸支局での手続きが必要です。また、車検証の住所変更、車庫証明はインターネットでも申請することができます。スマホからも手続き可能です。
年度途中で車を譲渡する場合、譲渡後の自動車税種別割の負担については、売買契約時に取り決めることが一般的です。
中古車の自動車税額(軽二・三・四輪)
軽自動車の自動車税額は、車種区分と排気量によって決められています。


総務省 地方税制度「H28年度から軽自動車税の税率が変わります」より引用
よく「軽自動車税は一律で10,800円」という言われ方をしますが、正しくは「軽四輪自動車の自家用乗用車は税額10,800円」です。
乗用車の3~5万円という税額に対して、軽自動車税はかなり安いといえます。
バイクは小さい原付なら2000円、最大でも6000円の税額となります。
また、税額が変わる要因としては以下の2つがあります。
- 経年車重課
13年を経過した軽四輪には概ね20%の税率が上乗せされます。
- グリーン化特例(軽課)
環境性能の優れた軽乗用車・軽貨物車は、最大で75%(例:2700円)の税率が軽減されます。
二輪車に重課・軽課はありません。
維持費がかからない軽自動車をお探しなら、以下の記事をご覧ください。
→ 中古車で軽自動車を選ぶなら?おすすめ車種と賢い選び方のポイント
中古車の自動車税種別割額(軽自動車以外)
自動車税種別割の金額は、自動車の用途ごとに定められています。
- 乗用車:総排気量による
- 貨客兼用車:最大積載量と総排気量による
- トラック:最大積載量による
最大積載量と総排気量は車検証で確認ができます。
乗用車

おおよそですが、車ごとの排気量と税額は以下の通りです。
排気量 | 税額 | |
コンパクトカー | 1~1.5リットル | 30,500円 |
ファミリーカー | ~3リットル | 50,000円 |
一般的な乗用車は排気量3リットルを超えないことが多いので、税額が5万円になることが多いことでしょう。
環境負荷による自動車税種別割の軽課・重課

「自動車税種別割のグリーン化(環境配慮型税制)」として、排出ガス性能と燃費が優れた車に対して税の軽減、および環境負荷が大きい車に対して重課が行われています。
燃費基準を達成している車は、車検証にその旨が記載されます。
最も優れている以下の車は約75%の軽課となります。
- 電気自動車
- 天然ガス自動車
- プラグインハイブリッド自動車
- 最高レベルの排出ガス基準、燃費基準を満たす営業用乗用車
例えば税額5万円の車なら、12,500円になります。
環境負荷が大きい以下の車は約15%が重課されます。
- 11年を超えるディーゼル自動車
- 13年を超えるガソリン自動車、LPG自動車
例えば税額5万円の車なら、57,500円になります。
年度途中の中古車譲渡による月割り払い計算方法

年度途中で車を購入する場合、自動車税種別割は月割りで計算されます。これは、新車でも中古車でも変わりません。
購入月の翌月から年度末までの期間に対して、新しい所有者が自動車税種別割を負担することになります。例えば、6月に車を購入した場合、7月から翌年3月までの9か月分の自動車税種別割を新しい所有者が支払うことになります。購入したお店に諸費用として支払い、納付を代行してもらうのが一般的です。
1年分払う「年課税」に対し、月割りすることを「月割課税」といいます。
自動車税の月割り計算方法
自動車税種別割の月割り計算は、以下のように行われます。
- 年間自動車税種別割額の確認
上記の税率表から、車両の自動車税種別割額を確認します。 - 月割り計算
購入付きの翌月から年度末までの月数を確認します。 - 税率(年額)÷12×月数で求めます。
月割額=税率(年額)÷12×月数 |
例えば、年間自動車税種別割額が36,000円の車を6月に譲渡した場合、7月から翌年3月までの9か月分の自動車税種別割は、以下のようになります。
【例】
36,000円÷12×9=27,000円
同様に、年度途中で廃車にする場合は月割り額の還付を受けることができます。
軽自動車には月割り・還付がない
軽自動車の場合は、月割り納税をする必要がありません。支払いは1年ごとで、年度途中に購入した場合は翌年まで納税を待つことができます。
その代わり、年度途中に廃車にした場合の還付も受けられません。
中古車の自動車税種別割、納付通知が来ない場合
自動車税種別割の納付通知が来ない場合、4つの原因が考えられます。
- 名義変更が正しく行われていない
- 車検証が引っ越し前の住所になっている
- 納付通知が郵送中に紛失した
- 車検証の期限が切れている
(軽自動車の場合は車検が切れていても納付書が届きます)
このような場合は、速やかに以下に問い合わせて確認しましょう。
- 管轄の税務署
- 地域ごとの運輸局
- 都道府県の自動車税事務所(乗用車)
- 市区町村の税務課(軽自動車)
たとえ車検が切れていても、廃車にしない限り自動車税種別割の支払い義務があります。忘れずに納付しましょう。
自動車税種別割の支払い方法
自動車税種別割の支払い方法は、年額か月額かで異なります。
年額
年額の納付通知が手元に届いたら、支払処理をしましょう。
岡山県では、自動車税の支払いが地方税お支払いサイト「eL TAX」に一任され、以下の方法で支払うことができます。
- クレジットカード
- インターネットバンキング
- 口座振替
- Pay-easy(ペイジー)
- 各種スマホアプリ
また、地方税お支払いサイトでは、固定資産税などほかの税金との「まとめ納付」も可能です。
月額
年度途中で新規に登録する車(新車・中古問わず)の税金は、自動車税事務所等の窓口にて直接納めます。登録前に納める必要があるので注意が必要です。
シシドモータースでは、購入者の手間を減らすべく納付を代行していますので安心してお任せください。
軽自動車
岡山県内の市町村では、上記のとおり地方税お支払いサイトにて徴税代行をしています。
参考:岡山市 軽自動車税
自動車税の未納によるペナルティ
自動車税種別割を未納のまま放置すると、延滞金が発生するだけでなく、車検を受けることができなくなります。また、最悪の場合、車両の差し押さえが行われることもあります。自動車税は必ず期限内に納付するようにしましょう。
まとめ

中古車の自動車税種別割については、誰が支払うのか、年度途中の譲渡による月割り払い、還付の方法など、知っておくべきポイントが多くあります。特に、年度途中での譲渡や廃車、転出などの際には、適切な手続きを行うことで、無駄な支出を避けることができます。
シシドモータースでは、自動車税の安い軽自動車を常時200台以上扱っています。中古車購入時の自動車税について迷ったら、お気軽にスタッフにご相談ください。