中古車を選ぶとき、年式は大きなポイントになりますよね。3年、5年、7年……と経つにつれ価格は大きく下がっていきます。相場では「5年落ちで半額」といわれることもありますが、実際はどうなのでしょうか?
本記事では、走行距離別の状態、市場動向、耐用年数と減価償却など気になるところを解説します。
5年落ち中古車の相場
中古車の相場を決定する2大要素といえば、年式と走行距離です。中でも年式は重要な要素で、「5年落ちの車は新車の半額が相場」ともいわれていますが、もちろんすべての車が半額になるわけではありません。
実際にシシドモータースで扱う5年落ち中古車を見てみましょう。
2019(平成31・令和1)年式の車は以下のとおりです。(2024年11月執筆当時の情報です。)

ダイハツ ミライース 660L SAⅢ
新車販売価格 | 1,025,200円 |
シシドモータース販売総額 | 498,000円 |
シシドモータースでの価格は新車の49%、価格差527,200円となっています。初期費用が50万円を切る車だと手が出しやすいと感じますね。

トヨタ プリウス 1.8S
新車販売価格 | 260~280万円 |
シシドモータース販売総額 | 1,586,000円 |
シシドモータースでの価格は新車の56~61%、価格差100~120万円以上となっています。走行距離が97,000kmでも価格があまり下がらないのは人気車だからですが、200万円以上する車が100万円引きになるのは大変お得感があるのではないでしょうか。
このように、5年落ちともなると「まだまだ乗れるのにお得な価格の車」が誕生するのです。
相場については下記の記事もご覧ください。
→軽自動車の中古車、相場は何で決まる? 安い車種・高い車種とは
→中古車は何年落ちがお得?使用年数以外にチェックするポイントも紹介
5年落ち中古車、走行距離による比較
5年落ち中古車を買う場合、走行距離はどう選べばよいでしょうか。一般的に品質が良い車と言われているのは「1年につき1万km」ですが、これは実際に使用されている平均走行距離とは若干の違いがあります。
平均的な走行距離と寿命
(一社)日本自動車工業会の調べによると、乗用車の平均的な走行距離は年間4344kmで、約半数は年間3600km未満です。5年落ちなら1万8000~2万kmぐらいということになりますね。
しかし、5年落ちで2万kmを超えるとNGなのかというと、そうではありません。下取りの基準として「1年につき1万km」といわれたり、シビアコンディションの基準として「1年につき2万km」といわれたり、さまざまです。
参考:一般社団法人 日本自動車工業会 2023年度乗用車市場動向調査
5年落ちで1~10万kmはどうなの?
よく「5年落ちで●kmってどうなの?」と聞かれるので、表にしてみました。
1万km | 少なすぎる。放置車の可能性あり。 |
3万km | 平均走行距離からみると妥当。 |
5万km | 一般的な品質からみると妥当。 |
7万km | 多いが、メンテナンス頻度が良好なら良し。 |
10万km | 多すぎる。シビアコンディションの過走行にあたる。 |
ただし、NGとした車であっても、日頃のメンテナンスさえしっかりしていれば、平均的走行距離の車よりよっぽどいい状態ということもあります。
コンディション
車のコンディションは走行距離だけでなくメンテナンス頻度からも決定づけられます。
シビアコンディション | 1回の走行距離が短い(8km以内) 過走行(年2万km以上) メンテナンス頻度が低い |
良好な車 | 走行距離がちょうどいい、こまめにメンテナンスされている |
走行距離とコンディションの関係については、以下の記事で解説しているのでご覧ください。
→中古車は年式と走行距離どちらを重視すべき? 年式は古いのに走行距離は少ない車ってどうなの?
結論:重要なのは数値ではなく状態
5年落ちなら●kmが良い、という結論はありません。タクシーは、数十kmという過走行であっても走行しています。そのため、走行距離に上限(寿命)はありません。
すべては車の状態次第なので、まずはプロの整備を受けることが重要です。
5年落ち中古車は多く出回る
車好きの中には「5年ごとに乗り換える」という層が存在します。その選択には、以下のような理由があります。
- 2回目の車検代がかからない
- 5年を超えると査定額が大きく下がる
- 5年でローン完済することが多い
- 乗り続けるよりもメンテナンス代がかからない
- ライフステージが変化した
ローンを完済している人なら買取額をそのまま新しい車の頭金にできますし、完済していなくても買い替える方法はあります。7年や10年乗ってから査定に出すと買取価格が極めて低くなるため「高い値が付くうちに売ろう」という選択なのでしょう。
ライフステージは、結婚・出産・引っ越し・子どもの独立などが該当します。
5年落ち中古車はハイブリッド車が39%
現在では、ガソリン車に対してハイブリッド車の方が上回っていますが、5年落ち中古車の場合はどうでしょうか?
5年落ちの場合、まだガソリン車が過半数を占め、次いでハイブリッド車が39%となっています。
(一社)日本自動車販売協会連合会によると、ガソリンハイブリッド車の新車登録台数(乗用車)がガソリン車を上回ったのは2022年のことです。5年前の2019(平成31・令和1)年は以下のような割合構成でした。

(一社)日本自動車販売協会連合会 燃料別登録台数統計より筆者作成
税制優遇度合いの大きい電気自動車は0.8%、プラグインハイブリッド車は0.6%です。
5年落ち中古車の耐用年数と減価償却
事業の節税対策として車を購入検討している人もいることでしょう。しかし、中古車の場合は「中古資産」の扱いになるので、車ごとに「耐用年数」(使用できる期間)は異なります。
法定耐用年数は以下のとおりとなります。
【新車】
軽自動車:4年
普通乗用車:6年
【5年落ち中古車】
- 法定耐用年数の全部を経過した資産
その法定耐用年数の20パーセントに相当する年数 - 法定耐用年数の一部を経過した資産
その法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20パーセントに相当する年数を加えた年数 - 算出結果は端数切捨て、2年に満たない場合には2年とする
軽自動車
4年×0.2=0.8年(9.6ヶ月)→耐用年数2年
普通乗用車
6年ー5年=1年
5年×0.2=1年
1年+1年=耐用年数2年
「耐用年数が2年に満たない場合には2年とする」という定めがあるので、実際のところ、乗用車は4年落ち以降の車がすべて「耐用年数2年」となります。4年落ち・7年落ち・10年落ちすべて「耐用年数2年」になるのです。
この法定耐用年数をもとに、定率法もしくは定額法で減価償却をしていくことになります。耐用年数2年なら減価償却が早く済みますね。
詳しくは下記の記事もご覧ください。
→中古車の耐用年数の計算方法と減価償却の注意点
→4年落ちの中古車が事業用におすすめ!その理由や経費の計算方法を解説
5年落ち中古車は何年乗れる?

中古車を買う際に「この車は後何年乗れるだろう」というのは気になりますよね。
(一社)自動車検査登録情報協会が発表している「車種別の平均使用年数推移表」によると、使用年数は以下のようになっています。
平均使用年数(令和6年、軽自動車を除く)
普通乗用車 | 12.75年 |
小型乗用車 | 13.88年 |
計 | 13.32年 |
参考:(一社)自動車検査登録情報協会 わが国の自動車保有動向
ただし、この統計は新規(新車)登録されてから抹消登録するまでの平均年数を調べたもので、廃車だけでなく登録の一時抹消を含みます。つまり、また中古車として復活する車もあるということです。
中古車販売店として言わせてもらえれば「寿命なんてない」というのが持論です。
なぜなら、寿命といわれる13年落ちの車も、整備次第でまだまだ現役として乗れるからです。

13年落ち(H23、2011年式)ダイハツ タント シシドモータース在庫車情報より(2024年11月執筆当時の情報です。)
実際にシシドモータースでは、13年落ちの車も多数扱っています。優良な車を仕入れ、丹精込めて整備することで自信をもって仕上げています。事故を起こさず、日頃のメンテナンスをしっかりすれば車は20年でも乗れるのです。
5年落ちの中古車でも、あと10年、15年乗れるようにという思いで整備していますので安心してお任せください。
まとめ
5年落ち中古車について詳しく解説しました。今回の調査では価格の新車に比べ49~61%、新車との価格差は52~120万円でした。
新車よりもかなり安く買えて、あと10~15年乗れる可能性のある5年落ち車は中古車の主役ともいえるのではないでしょうか。
ライフステージが変わり、大型車を持ち続ける必要が無くなったなら、軽自動車やコンパクトカーなど維持費の安い車に買い替える方がお得です。5年落ちの軽自動車・コンパクトカーを多数扱うシシドモータースへ、ぜひご相談ください。